いよいよ参議院選挙の投票日である。これからの日本の進路の選択に大きな影響を与える選挙である。読者の皆さんにもぜひ投票に行っていただきたいと思う。
今回の選挙戦を見て、頻繁な世論調査の弊害が現れてきたように思う。民主党の終盤の劣勢は、主として菅首相の消費税率引き上げをめぐる不用意な発言に起因しているので、自業自得ではある。それにしても、毎週世論調査を行い、首相の発言をどう思うか人々の瞬間的な反応を調べ、そこから出てきた数字が政局を動かすという事態が、本来の民主政治なのかという疑念を覚える。ほかならぬ数人の新聞記者からも、世論調査をやりすぎるのだという正直な感想を聞いた。電話の世論調査に答える側がどこまで十分考えて答えているのかという疑問もある。
税制改革のような争点については、腰を据えた議論が必要である。そのためには、政治家が周到に準備し、国民を説得するための論理を構築しなければならない。それと同時に、世論調査に振り回されない、息の長い議論をメディアもしなければならない。
世論調査の支持率で政治家が右往左往し、必死で数字を上げるための策を考えるという状態は、蜃気楼を見てパニックに陥るようなものである。熟慮の上の世論を形成するためにはメディアの責任も重い。(東京新聞7月11日)
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