2010.03.01 Monday 00:10

インビクタス

 今、「インビクタス」という映画が上映されている。是非読者の皆さんにも見てほしい感動的な作品である。監督のクリント・イーストウッドは、「グラン・トリノ」をはじめとして、最近人間の許しや共存をテーマにした傑作を世に送っている。一連の作品からは、彼の共生社会に向けた理念が伝わってくる。

 この作品は、南アフリカでアパルトヘイトが廃止された後、黒人として初めて大統領になったネルソン・マンデラが、1995年に開催されたラグビーのワールドカップを契機に民族の融和を図る苦心を描いている。

ラグビーと言えば、白人文化の象徴であり、多数派になった黒人は南アフリカチームの名前や紋章を変えようとした。しかし、マンデラはその動きを止めた。復讐心に駆られてそのようなことをしては、黒人は昔の白人と同じものになってしまう。黒人こそ、差別者が持っていなかった寛大さや共感を発揮しようと訴えた。この場面を見て、改めてマンデラの偉大さを思い知った。

 我が国の首相も友愛を叫んでいたはずだが、今はどうなったのだろう。高校無償化から朝鮮学校を外すなどという愚挙を容認するようでは、まさに人権、人道をわきまえない独裁者と同じ次元に落ち込んでいくだけである。(東京新聞2010年2月28日)


Comment:
2010/03/05 4:53 PM, 最近変ですよ wrote:
映画「インビクタス」の話の流れで、朝鮮学校の問題をしていますが、山口氏の主張は、要は「寛大たれ」ということなのだと思います。
しかしながら朝鮮学校の問題は普遍的「人権」の問題であり、寛容さの問題ではありません。したがって山口氏が「人権」と「人道」を並列させていることは、基本的な概念の区別をしておらず明らかに問題です。
なんとなくですが国連の勧告を受けて、あわててこの文章を書いたような印象を受けます。植民地の問題に一言も触れてませんし。マンデラ氏の寛容さだけを利用してはいけないと思います。
2010/03/10 2:52 PM, ♪やまっち3♪ wrote:
こんにちは。

山口先生は、映画がお好きだったんですか?
コロコロ変わる日本の首相と比較されたら、
ネルソン・マンディラ氏が可哀想でないかい!?

果たして、日本歴代の中で海外から賞賛された
首相っていらっしゃるんでしょうか?
そもそも、今回は選挙で掲げたマニュフェスト
自体、まともに実現できそうにない…。
(通行量の少ない地方の高速道路無料化以外は)

共存・共感・寛大さ以前に、
国民に対する裏切り・冒涜感が上回っちゃってます。
「No, We can't!」 状態です。
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