2006.12.14 Thursday 11:55

新著:『強者の政治に対抗する』

強者の政治に対抗する
強者の政治に対抗する
山口 二郎

尊敬する先学、友人の皆様へ
 年の瀬も押し詰まり、皆様にはお忙しい毎日と存じます。今年も残り10日というところで、岩波書店から1冊本を出しました。これは今年1月から7月まで『世界』に連載された政治家との対談をまとめ、優れた同時代批評をなさっている二人の文学者との対談を加え、さらに小泉政治、安倍政治に対する私自身の論評を合わせて1冊にまとめたものです。気楽に読める本なので、冬休みの仕事の合間に目を通してくだされば幸いです。

 安倍政権最初の臨時国会では、教育基本法改正、防衛省の誕生など、戦後民主主義を支えてきた重要な法制度が大きく変改されました。また、沖縄県知事選挙の残念な結果に表れたように、戦後民主主義や平和を訴えるだけでは、民意を動かせないという厳しい現実に我々は直面しています。

 しかし、内外の複雑な政策課題に直面して、安倍政治は困難な舵取りを迫られることも明らかですし、郵政造反組の復党以来、国民の安倍政治を見る視線は厳しいものとなっています。

 私は最近、気持ちがくじけそうになると、魯迅、竹内好、中野重治を読み直しています。絶望という言葉を安易に使ってはならないと自戒するためです。中野が、魯迅の『故郷』の末尾にある有名な文章、「希望とは地上における道のようなものである」について論じた言葉があります。
 「希望というにはあまり深い暗さと、暗さそのものによって必然の力で羽ばたいてくる実践的希望との生きた交錯、交替」
この言葉をかみしめている所です。

 来年は、大きな選挙が予定されており、日本の民主主義にとって重要な年となることでしょう。私も悔いのないように言論活動をしたいと思っています。来年が皆様にとってよい年であるよう、お祈りいたします。

Comment:
2006/12/20 1:28 PM, 小林 昭人 wrote:
はじめまして、長野県在住の小林と申します。

 先生のページはいつも楽しみにチェックしています。新著の「強者の政治に対抗する」は予約注文しました。

 ところで、これは運用の話なのですが、この新著のお知らせの直後からブログの表示(レイアウト)がどうもおかしいようです。当方のパソコンでは本文が映らないのですが、他のパソコンでも同様と思われます。表示の確認と不具合がある場合はレイアウトの修正をお願いします。

2006/12/22 2:45 PM, プチセレブ wrote:
時々拝見しております。
突然の書き込みにて失礼いたします。
現在とても困った事が起きているのですが、何かご意見をいただけると、大変助かります。

【サイバッチ】という人権蹂躙メルマガを発行している、悪名高い犯罪者集団に黙って付きまとわれて怪しんでいたのですが、盗撮画像を晒されて困っています。

この集団は、人権擁護法案がネット上で取り上げられていた際に、この話題に関する日記を書いていて狙われたみたいで、家まで押しかけてきたのですが、

彼らは素人女性の盗撮画像や、ネット上で個人情報を盗んで晒す事によって利益を上げている、インテリヤクザのような組織です。

何か良い方策がありましたら、教えていただけると大変助かります。

パソコンの遠隔操作をされていて、メールもブログの管理も困難な状況なので、こちらに返信を書いていただけると、有難いです。
2007/01/13 2:55 PM, 海坂藩藩士 wrote:
ホワイトカラーエグゼンプションが導入される動きがあります。日本経団連の意向を受け厚生労働省が成立を目指しているものの、断じて成立させてはならないと思います。日本経団連加入企業でも、現在も平然とサービス残業は常態化しており、この不法行為を合法化させてしまいかねない。また、うつ病をはじめとした精神疾患や過労自殺が増加する懸念があります。プレ統一地方選にはじまる選挙で自公連立政権を追い込み、参議院選挙で最悪のネオコン内閣安倍政権を退陣させなければならない。
2007/01/24 4:44 PM, 匿名係の亀山 wrote:
 山口先生、初めまして。ご著書の『ブレア時代のイギリス』を拝読して以来、先生の明快で鋭いご分析とスタンスに浅学未熟な一読者にすぎぬ身でありながら感銘を受けて、直後に『戦後政治の崩壊』をひもとき、日本の政治に一有権者として危機感を抱くとともに、管見の限りでは初めて同様(といってはおこがましいですが)の懸念を、研究者の立場から俯瞰なさっている方を発見し、一縷の光明を見出しました。
 私事ですが、帰国子女として小学校時代「ガイジン!」と呼ばれていじめを受け、教師も誰も助けてくれなかった過去より、日本の教育と民主主義に根本から懐疑の念を抱いております。安倍首相の教育基本法「改正」には不安を禁じえません。そもそもこの国に制度上は存在しても、実体として「民主主義」が存在するのでしょうか? 一部の論者は学校で問題が起こるとすぐ「戦後民主主義の弊害」と言いますが、それはそうした者が「民主主義」の何たるかをわかっていないからだと思います。民主主義とは単なる多数決主義ではなく、少数の者をも包み込む多様性だと私は考えます。今のいじめの問題も、日本の教育現場が真の民主主義を歪んで教え込んでいるところからきているのではないでしょうか。いじめは複数の人間による、一人の(あるいは少数の)者に対する抗議です。ナチス・ドイツもまた、多数決論理の「鬼っ子」として生まれたものであることは、歴史を見れば明らかです(戦後ドイツ人がこのことを反省し、歴史の教訓としていることは見習うべきです)。これはまさに民主主義を歪めたものではないでしょうか? 教育基本法を「改正」する前に、教育基本法の理念は何なのか、それはどのような時代状況の中で生まれたものなのか、真の「民主主義」とは何なのかを、将来の日本政治を背負って立つ世代に民主主義を教える教育現場は今こそ考えるべきです。「ダメ教師を辞めさせる」のなら、『日の丸・君が代』を快く思わない教員ではなく、真の「民主主義」を知らない教員をこそ辞めさせるべきではないでしょうか。
 『「強者の政治」に対抗する!』、早速買いました。先生の舌鋒鋭いご分析を味わうのを楽しみにしつつ、拝読させていただきます。長くなりまして申し訳ございません。
2007/01/24 4:55 PM, 匿名係の亀山 wrote:
「いじめは複数の人間による(中略)抗議です」は、「行為です」の変換ミスです。お詫びいたします。うまく送信できず、繰り返しになってしまい申し訳ございません。
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