2019.02.22 Friday 18:50

政治家に国語教育を


 今年読んだ本でもっとも役に立ったのは、新井紀子氏の『AI vs. 教科書が読めない子供たち』(東洋経済新報社)である。数学者の新井氏は、AIが人間の能力を追い越すことはないことを明らかにした。しかし、現在の若者は国語の教科書を読み、理解することがおぼつかなくなっている。
 しかし、読解力の欠如、さらには論理的思考力の喪失は若者だけの問題ではない。読者の皆さんも気づいているだろう。国を動かす指導者こそ、新井氏の本を読んで、言語によるコミュニケーションや思考の基礎を身につけなければ、日本の未来は危うい。
 今年も国会では多くの法律が成立し、審議の過程では論争があった。しかし、政府の側は捏造したデータに基づいて法案を作成するなど、論理以前の不正が横行した。また、野党議員の質問にまともに答えない不誠実が日常化し、「ご飯論法」が流行語となった。また、沖縄に寄り添うという安倍首相の言葉が空虚であることは明らかである。
 この度、日本が国際捕鯨委員会を脱退するにあたり、河野外相は日本の考えを捕鯨反対国に「丁寧に説明」したいと述べた。国会でろくに説明できない政治家が外国人を相手に何を説明するというのか。言葉や論理を大事にすることこそ、政治を立て直すための出発点である。

東京新聞12月30日

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