2018.04.23 Monday 16:39

政治と軍事

 このところ、腐敗や不品行に関して底が抜けた感のある安倍政権である。民主主義に対する脅威という点では、高級官僚のセクハラよりも、現役幹部自衛官が野党国会議員に「国民の敵」と罵声を浴びせた件の方が深刻である。
 自衛官にも思想、言論の自由はあるという奇妙な擁護論もあるだろう。それは誤りである。例えて言えば、自衛隊は日本人を守るガードマンのようなものである。ガードマンの方が、自分が敵と思う者は守らないと言い出したらどうなるか。守られるはずの市民がガードマンに気に入られるようびくびくしながら生活するとすれば、それこそ主客転倒である。
 日本では今から80年ほど前に実際にそのようなことが起こったのである。軍人は武器を持っていた。危険な思想に染まれば容易にテロリストに変身した。彼らが政治家を殺害し、新聞社を襲撃し、日本は軍政一致の全体主義に転落していった。
 戦後の自衛隊はそのことへの反省から出発した。吉田茂は、「自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、国家存亡の危機の時か、災害派遣の時とか、国民が困窮している時だけなのだ。言葉を変えれば、君たちが日蔭者である時の方が、国民や日本は幸せなのだ」と言った。自衛隊を日陰者にするつもりはないが、自衛隊の本質を言い当てている。

東京新聞4月22日

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