2018.03.05 Monday 17:14

改革の本丸

 安倍政権の目玉政策である働き方改革から裁量労働制を取り下げることになった。ずさんなデータに基づく効果不明の政策に対する世論の怒りは無力ではなかった。この際、働き方改革一括法を分解し、高度プロフェッショナル制度や労働時間上限規制など性格の異なる法案は別個に審議すべきである。
 そもそも働き方改革の本質は、経済界の長年の悲願である脱時間給制を目指す点にある。政府は、法案は労使代表等からなる労働政策審議会で了承されたというが、それは法案作成の最終段階の話である。基本的な中身は経営者と学識者だけが参加する未来投資会議で先取り的に決められていた。働き方改革には働く側の言い分は反映されていない。
 折しも、川崎重工業が新幹線の台車製造で多くの不良品を出していたことが発覚した。福島第一原発事故について東京電力幹部の刑事責任を問う裁判では、東電関連会社の技術者が東電から津波の予測値を引き下げるよう依頼されたと証言した。日本の産業の土台が腐食していることを物語る出来事である。
 大企業の経営者は、従業員の働かせ方を自分たちの都合のよいように変えることに血道を上げるのではなく、自分たちの仕事の仕方を厳しく点検、改善すべきである。日本経済の衰弱は労働者のせいではない。

東京新聞3月4日

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