2018.01.21 Sunday 17:16

独立した良心


 リトアニアを訪問した安倍首相は、第2次世界大戦中、ナチスドイツに迫害され、外国に逃げようとしたユダヤ人にビザを発給した杉原千畝、駐リトアニア公使(当時)を日本の誇りと称賛した。そのこと自体には同感である。問題は、杉原の功績を現代日本にどのように生かすかである。
 当時、ドイツと同盟国だった日本はユダヤ人保護には否定的だった。杉原は外務省の訓令を無視して、個人としての良心からビザを発給し続けた。上意下達を旨とする官僚主義の対極にある人物だったからこそ、危険を冒してまでユダヤ人を助けたのである。この問題は現代社会の大きな宿題である。杉原のような良心的人物の対極には、自分の思考を放棄して、非人道的な命令に唯々諾々と従うアイヒマン(ホロコーストに加担したナチス親衛隊将校)もいた。
 日本外務省は長い間杉原を冷遇した。いまなお権力者の顔色をうかがうアイヒマン型官僚が跋扈する現代日本においてこそ、杉原精神が必要である。首相が杉原をそこまで称賛するなら、公務員研修や学校教育で、組織の規律は遵守する一方で、正義、人道に関わる問題についてはしばしば個人としての判断で命令を破ることも必要だと教えるべきである。それは、今の日本政治の方向を180度転換することを意味する。

東京新聞1月21日

追記
現代版の杉原ともいうべき文科省の前川氏は人格攻撃のデマを流され、読売新聞がそれを垂れ流した。現代版のアイヒマンたる佐川国税庁長官は政権が全力でかばう。安倍首相の言葉の軽さは、ここでも表れている。

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