2017.12.12 Tuesday 17:04

ばかばかしい選挙?


 今日は総選挙の投票日である。台風の接近もあり、首都圏は天気が悪いようだが、ともかく読者の皆さんには投票に行っていただきたい。
 今回の解散には大義がない、選挙の争点がわかりにくいと言われた。著名な評論家が、ばかばかしい選挙だから棄権しようとインターネット上で呼びかけたことも話題となった。しかし、国民がばかばかしい選挙、ばかばかしい政治に背を向け、遠ざかることができると思うのは錯覚である。国民の側が遠ざかったつもりになっても、ばかばかしい政治は常に国民に覆いかぶさる。そして、国民に増税や戦争といった不条理を押し付けるかもしれない。
 選挙で勝利して多数を占めた勢力は、自分たちの政策が国民の総意に基づくと主張するだろう。もちろん、それは虚構である。しかし、民主政治はそうした虚構の上に成り立たざるをえないのである。
 国民の半数だけが投票に行き、そのまた半分の票を得て多数派が権力を握れば、それこそ本物の虚構である。私たちは、虚構を少しでも現実に近づけるために、投票するしかない。様々な意見が投票で表現され、多数派がすれすれの勝利を収めるならば、彼らは自らの権力基盤が虚構であることを認識し、現実の民意を恐れ、少しは慎重に行動するだろう。冷笑とあきらめは民主主義を掘り崩す病原菌である。

東京新聞10月22日

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