2016.07.04 Monday 14:20

盗人に追い銭

 民主主義って何だ?政治家や政党が掲げた政策の中から、国民が望むものを選び、選ばれた代表者や政党が多数の国民が求めた政策を実現する作業という説明が、一応もっともらしい定義である。しかし、現実の政治と教科書の定義の間には大きな乖離がある。
 選挙の時に訴えた政策を実行しないことも、選挙の際にまったく予告しなかったことを実行することも、しばしば起こる。それは必ずしも非難すべきことではない。世の中の動きは複雑かつ急激であり、選挙の時に言わなかったことに至急取り組む必要があるかもしれない。
 国民の命運を左右する重要な政策をインフォームド・コンセントなしに決定した場合、その直後の選挙において国民自身が賛否の意思表示をしなければならない。勝手に決められたことに国民が怒るなら、その怒りは直後の選挙で表現し、勝手に決めた為政者を罰することが必要である。為政者が約束を破った時にはけしからんと声を上げることも大事なことではあるが、選挙で勝てば為政者は、国民が自分の政策を事後的に追認してくれたと正当化する。
 憲法を蹂躙し、国民をたぶらかした権力者を選挙で簡単に勝たせることは、盗人に追い銭を与えることを意味する。選挙とはその国の人々がどこまでお人よしかを測るテストでもある。

東京新聞7月3日

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