2014.11.25 Tuesday 23:22

総理の器

 

 衆議院が解散された。逆風が強まる前に選挙を済ませておいて、多少議席を減らしても今後4年間のフリーハンドを得たいという意図だろう。その間に憲法改正など、国家改造に取り組むのかもしれない。しかし、腑に落ちないことがある。そのような遠大な構想と、最近の安倍首相の幼児性との落差があまりに大きいのだ。

 実際、首相は、側近の発言を伝えた朝日新聞記事を捏造と決めつけたり、野党の質問に逆ギレしたり、解散表明の後の民放テレビのインタビューでもキャスターの質問にいら立ち、街頭インタビューに応じた市民にいちゃもんをつけるなど、精神の平衡を欠いている様子であった。権力を求めて解散を断行した中曽根、小泉といった政治家の指導者らしさとは雲泥の差である。あるいは、ネトウヨ言説に代表される精神と知性の劣化という時代風潮を、安倍首相こそ象徴しているのか。はたまた、大新聞の首領が知恵をつけて、それに従っているだけなのか。

 こんな不安定な人物を国の最高指導者に据えていることを、日本人は認識した方がよい。衆議院解散のスイッチを押して権力を維持できれば、次は戦争のスイッチを押すかもしれない。

総選挙の最大のテーマは、安倍首相のわがままを許すかどうかである。国民をなめたら痛い目に合うはずだ。


東京新聞11月23日


追記 このコラムでは、大手町の大新聞のトップが安倍に知恵を付けているのかと憶測を書いた。この大新聞の関係者に聞いたところ、同紙幹部の関心は、新聞に対する軽減税率の導入にしかないので、遠大な戦略はないだろうとのことだった。いろいろな人が自分のみみっちい利益を追求し、それを合算したらとんでもない大きな、有害な意思決定を実現していたというのは、満州事変以来の日本の戦争の政策決定だったが、似たような話が、21世紀の日本で憲法改正、戦争体制の準備というテーマで再現されるのか。


Comment:
2014/12/01 10:38 PM, あらら wrote:
あらら・・・橋下ごときに論破されて
全国に恥をさらした山口様が偉そうにw

批判するのは誰でも出来るけど
結局、アンタは何を代替論として出せるの?

それに自信があるのなら国政に出るべきで
所詮は犬の遠吠えでしょう??
2014/12/05 4:33 PM, 通りすがり wrote:
「批判するのは誰でも出来るけど
結局、アンタは何を代替論として出せるの?
それに自信があるのなら国政に出るべきで
所詮は犬の遠吠えでしょう??」
これってアンタの事じゃないか。
2014/12/05 5:05 PM, AS wrote:
“代案を出せ!”は橋下やネトウヨの常套句ですな。
ほんに、こういう連中はどこにでも涌くね。
2014/12/06 3:11 AM, 匿名希望 wrote:
知的権威の特権を許さないぞと言っているバカというのがいる。
2014/12/06 8:24 PM, 匿名希望 wrote:
「代替案を出せ」自体は悪くは無いがそう叫んでいるネットチンピラ便乗一味は何を示したのだろうかと思う。
2014/12/09 12:44 PM, 匿名希望 wrote:
「普通」、「多数派」に理想を見いだしている人が多い。
2014/12/09 3:46 PM, 匿名希望 wrote:
朝日記事取り消しにここぞとばかりに「朝日が日本を貶めた」と朝日や朝日記者に攻撃する人達って今の今まで何やっていたんだろうか?
別段朝日だけが新聞ではないだろうに。
2014/12/09 3:53 PM, 匿名希望 wrote:
ただ以前は朝日文化という言い方があったから疑似インテリゲンチャ(山本希一)や啓蒙臭溢れた良識バカ(斎藤学)の悪質性というのがあったのかも知れない。
ただそれは右にも同様である。(竹田恒泰や土屋たかゆき)
2014/12/09 6:49 PM, ゆたか wrote:
山口先生のおっしゃっていることに全面的に賛成するわけではないですが、この国が変な方向に向かっていることは事実じゃないですか。

安倍政権に近い(らしい)百田尚樹の『殉愛』騒動なんか見ていると、こんな人物がベストセラー作家(そしてNHKの委員)になって威張り散らしている現状に情けなさと危惧を覚えます。
2014/12/09 7:54 PM, 匿名希望 wrote:
産経・読売が朝日を批判していたが、元朝日記者の勤務先が脅迫を受けると脅迫は問題であると批判したそうだ。
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