2012.10.08 Monday 16:55

見えない野田首相の意図

  民主、自民両党の党首選挙も終わり、新体制が固まった。新党、日本維新の会も結成され、総選挙に向けて政党間の戦いの構図が見えてきた。

 政策に対する評価は別として、自民党が安倍晋三元首相を総裁に選んだことで、二大政党の対決の構図は描きやすくなった。自民党は憲法改正を掲げ、領土紛争についても強硬姿勢で臨むことを唱えている。また、内政面では生活保護削減の主張に象徴されるように、自助を基本とする小さな政府と伝統的家族主義の結合を目指している。消費税問題でできた三党合意をさらに進めて、大連立という雰囲気はもはや存在しない。

 民主党にとっては総裁候補の中で、もっとも対決構図を作りやすい政治家が当選したはずである。実際、安倍氏当選の直後に、民主党幹部からもそうした声を聞いた。しかし、野田佳彦首相の内閣改造や、原発、オスプレイなどの政策判断を見ていると、民主党が自民党と戦う気概を持っているのかどうか、疑わしくなる。

 言うまでもなく、民主党はアジア重視の姿勢を続け、粘り強い話し合いによって東アジアの安定を取り戻すことを唱え続けるべきである。また、国内政策については、消費税率引き上げはやむを得ない負担だが、それを用いて共助、公助を基調とする福祉国家の強化を訴えるべきである。また、原発政策については、ゼロに近づけるための具体的で段階的な前進を始めるべきである。青森県の大間原発の建設再開など、もってのほかである。

 内閣の顔ぶれを見ても、首相の意図はわからない。数か月しか持たない政権で、ねじれ状況の中で、具体的な成果を上げることは、そもそも難しい。次に下野することも計算に入れ、中堅、若手の政治家に経験を積ませ、捲土重来の備えをするくらいの戦略性が必要な場面である。しかし、当選回数や年功による任用というかつての自民党の悪習を民主党も引き継いでしまった。各社の世論調査でも、自民党が色合いを明確にしたことへの好感の方が、野田政権への期待よりも大きい。

 他方、台風の目ともいわれる日本維新の会では、橋下徹大阪市長と国会議員との間で早くも軋轢が起こり、一時ほどの勢いはなくなっている。民主党政権の失敗の大きな原因に、党のガバナンスの欠如があげられる。維新の会は橋下市長の個人的な運動体であり、まだ政党の体を成していない。これから国政に挑戦するというのだから、政策主張についても厳しく吟味していかなければならない。

 野田政権の任務は、実体的な政策の遂行ではなく、総選挙に向けた論点の整理と、政党間の対立構造の明確化である。来年度予算の審議の前に解散総選挙を行い、民意を問うことが必要である。政権交代から三年間の達成と限界について率直に国民に説明し、原発や社会保障などの長期的課題について、理念の軸を示してほしい。そして、自民党との対立の構図を描くべきである。領土問題も原発事故も、民主党政権だけの責任ではない。長年の自民党政権の怠慢や失敗がもたらした面もある。早期に臨時国会を開き、党首討論を何度か行って、国民の前に政治の責任の所在と、今後の選択肢を示すことこそ、野田首相の課題である。解散に追い込まれることを恐れて、臨時国会を開かないなどという選択はあり得ない。

 首相官邸周辺に集まる市民の声が民意のすべてだとは言わない。しかし、民主、自民の二大政党に対する不満が多数派の意見であることは明らかである。政治指導者が大きな目的や理想を据えて、それに向かって具体的に努力し、前に進むという姿を国民は見たいと願っている。良い、悪いは別に自民党は安倍体制でベクトルを明確にした。民主党はいったい何を目指すのか。今ここで野田首相が明確な言葉を発しないならば、政権交代以後の3年刊の経験は、長い保守政治の中のほんの短いエピソードに終わるかもしれない。今の野田首相に必要なのは、そのことへの危機感である。

熊本日日新聞10月7日


Comment:
2012/10/14 2:24 PM, manifold wrote:
 「消費税率引き上げ」の前に、考えるべきこと、するべきことがたくさんあると思います。
 まずは、軍事費の削減。
 軍事費は結果的に、「人間」に対して何をする費用か。
 社会保障費は結果的に、「人間」に対して何をする費用か。
 これを考えれば、「軍事費の削減」が第1番目に来るでしょう。
2012/10/15 11:59 PM, 小林主義者 wrote:
小林が軍事に関心持ってきたようだ

大変関心関心

日本のミサイルには光ファイバーケーブルが発射後
ずっと引っ付いてくるそうだぞ

30kmの光ファイバーっていったい 正気か?

今後の展望

シナは不断の挑発をしてくるだろう
すでに
警察監視下で暴動起こしたり
大使館の車襲ったりむちゃくちゃやってて
もう100年前なら宣戦布告と変わりないんだが
シナ的発想ではそうではないようだ
完全に義和団の乱だな

義和団式愛国とまったく進歩なし

シナ側は日本側が先に手を出してくるのを待ってるんだよ
シナ人の命の値段は安いし
日本が先に手を出して死亡者が出てくれることを願ってるんだろうなぁ
それで烈士に認定して 壮大な葬式開いて
彼の犠牲に報いなければいけないとかのたまって
大義名分ゲット

それから軍事侵攻か
シナ人的特質で大義名分を大事にするというのがある

2012/10/16 12:03 AM, 小林主義者 wrote:
しかして

仮に日本側に被害者が出たら
運悪く 若い妻がいてまだおなかの目立たない
妊娠3ヶ月くらいで 若く美しくて
テレビの前で名言はいっちゃったら
たとえば この子が生まれてきたら
パパは日本のために命をささげたんだよって教えます
とかなったら
左翼沈黙だな 精神原子弾にひってきするな
2012/10/16 12:10 AM, 小林主義者 wrote:
しかして

局地戦に突入するわけだが

局地戦ってどんなかんじで展開するんだろうか
そもそも局地戦ってなんぞや
巷の文章では制空権を制したらかつとか
わけのわからんことを書いてるが

相手の戦力ほとんど沈黙させてたらそりゃ勝つだろ
っていうかもう勝ってる

戦艦数隻と航空機同士の争いってことか?
どうなるんだろうね

マモルとか読んでもよくわからん


妨害電波だしあったらミサイルって使えるのか?
どうも展開がわからん

30キロしか飛ばない日本のミサイルの射程外から
相手がぼこぼこにミサイル打ちまくったら一方的にぼこられるようなイメージがあるが
2012/10/16 12:40 AM, 小林主義者 wrote:
近代戦の局地戦といっていいのは

フォークランド紛争だと思うが

メディアは取り上げないな・・・・

フォークランド紛争における示唆は多そうだが

戦争の展開がよくわからなかった
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